2018年度EDU-Port公認プロジェクト(国立大学法人信州大学)で来日のラオス国立大教授が感じた日本型教育

2019年02月22日

2018年度EDU-Port公認プロジェクトである「日本型の教員養成及び教育研究システムによるラオスでのエコヘルス教育の実践と研究の充実のための支援事業」(代表機関:国立大学法人信州大学)の研修で来日したラオス国立大学教授2名(Dr. Ngouay Keosda、Mr. Vannasouk Bouasangthong)に対し、インタビューを行いました(2019年2月)。

Q1:今回の研修の中で一番印象に残っていることは何ですか?

実践的な教育が行われていることに感銘を受けました。特に、給食や掃除などライフスキルを伸ばす学習活動が盛んに行われているのが素晴らしかったです。ラオスでは教師が一方的に教える教師中心の教育が実施されており、人材育成や教材の不足等で学習者中心の教育が進んでいないのが現状です。

Q2:日本型教育の特長は何だと思いますか?


信州大学教育学部附属松本小学校での給食見学

学習の中心は子どもたちであり、子どもたちは自分の実践・体験を通して学んでいる。教師はそれを促し、学びに導くファシリテーターのような存在であると感じました。それは、幼少期から実践されており、幼児が自分で身の回りのことを何でもできることに驚きました。また、学校には校庭、実験室、菜園、動物飼育場、楽器、給食など、子どもたちが実際の体験を通して学ぶ環境や機会が充実していることも素晴らしいです。 学習者中心の教育は、教科書の構造にも表れていると思います。ラオスの教科書は、文字が羅列してあるだけで分かりにくく、教師が一方的に読んで教えるような教師中心の構造になっていることが多いですが、日本の教科書は学習者の視点に立った構造で分かりやすく、自学自習が可能になっていますね。

Q3:今回の研修で学んだことをラオスでどのように生かしたいですか?


信州大学教育学部附属松本中学校での
交流授業の様子

日本とラオスでは教育事情が全く異なるため、両者の教育を同じものさしで比較したり、日本での学びをそのままラオスの教育に反映するのは難しいです。まずはラオスで自分ができることから始めていきたいです。そのためには、学校の学習環境や文化を変える必要があり、校長や管理職の意識や態度を変えていきたいです。そして、ラオスでも、幼少期から教科書を読むだけではなく、実践的な学習活動を促進していきたいと思います。

Q4:今後ラオスでどのようなエコヘルス教育を目指したいですか?


今後のエコヘルス教育について語る
Dr. Ngouay(中央)とMr. Vannasouk(左)

エコヘルス教育をもっと広げていきたいです。そのために、まずは教員養成校が自分たちでエコヘルス教育を指導できるよう、教員用指導書を改訂しながら質を高めていきたい。また、研修実施だけに留まらず、振り返りの時間を設けて課題を明らかにし、改善を繰り返しながら持続可能なエコヘルス教育を実現していきたいです。

事務局より

日本の学校教育の現場を初めて訪れ、目指すべきエコヘルス教育像をイメージできるようになったと大変満足されていたのが印象的でした。また、日本側の主催者からは、「子どもの学びを促すための教師の支援や、子どもたちが主体となり学んでいる姿を実際にみて、教師と子どもの間のやり取りの重要性や日本の授業の雰囲気など、これまで言葉だけでは説明しきれなかった部分を、来日後に互いに共有できるようになった。」「来日中に、これまでの活動を共に振り返り、今後の展望を語り合う時間を持てたことで、今後の見通しが共有できた」等の報告があり、ラオスと日本の双方にとって、お互いの理解が深まる有意義な機会であったようです。日本の教育の根底にあるものを理解し、目指すビジョンが一致した今後の活動展開に益々期待が高まりました。
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