学校図書株式会社、アイ・シー・ネット株式会社

機関名学校図書株式会社、アイ・シー・ネット株式会社
取組のタイトル2018年度EDU-Port応援プロジェクト「パプアニューギニアでの日本型の理数科教科書に基づく教員用電子指導書の開発と教員養成課程での活用」のその後
実施地域(国・都市)パプアニューギニア(ポートモレスビー)

パプアニューギニア政府は、教育目標である「全ての生徒に質の高い教育の提供」を達成するため、2014年に作られた新カリキュラムに準じた新国定教科書と指導書を、 JICAと協力して開発しました。2018年度EDU-Port応援プロジェクト「パプアニューギニアでの日本型の理数科教科書に基づく教員用電子指導書の開発と教員養成課程での活用」では、学校図書とアイ・シー・ネットが、 パプアニューギニア教育省と共同でその指導書のデジタル化を試みました。理科教育用の動画コンテンツとモデル授業案をいくつか作成し、小学校や初等教員養成校で現地教員や学生の協力も得ながら、彼らにとってより使いやすいものになるよう内容を改善しました。EDU-Portニッポンの支援は終了しましたが、パプアニューギニア教育省はこのデジタル教材を広く普及しようと、専用の電子指導書アプリの開発と、コンテンツを教育省ICT職員が自分たちでアップデートする技術を身に付けるための研修づくりに取り組み始めました。2020年10月までにアプリを開発し、研修も実施する計画です。

こうした計画が進むなか発生した新型コロナウィルスの蔓延は、パプアニューギニアでも子どもたちの学びに深刻な影響を与えました。2020年4月に緊急事態宣言が出され、学校と教員養成校が閉鎖されました。この間教育省は学びを止めないよう、生徒が携帯電話で授業を受講できる携帯アプリを開発し始めました。また、以前JICAと協力して開発した理数科教育用のテレビ番組をデジタルコンテンツに変換し、そのアプリを通じて生徒に配信し始めました。”ステイホーム”のため、自主学習を生徒に推奨したのです。このように パプアニューギニア では、新型コロナウィルスの影響を受けデジタル教材活用の機運が高まっています。私たちがパイロット事業で開発した電子指導書も、アプリとして広く配信されると期待しています。

同じ時期に日本では、株式会社ビデオリサーチと電子通信大学が「世界のICT教育を充実させる」を目標とした、スマイルタブレットプロジェクトを立ち上げていました。 株式会社ビデオリサーチはテレビの視聴率調査等を行っている会社ですが、「生活者総合調査」で使用するタブレットは数年ごとに入れ替えをしています。 本プロジェクトは、その入れ替え後の中古タブレットを開発途上国に寄贈し、電子通信大学と協力してデジタル教育を推進するプロジェクトなのです。 私たちが、パプアニューギニア教育省が本パイロット事業終了後に独自で指導書のデジタル化を続けようとしていることを電気通信大学へ伝えたところ、電子指導書の活用や関連調査などを目的として4,000台の中古タブレットをパプアニューギニアに寄贈することが決まりました。EDU-Port応援プロジェクトで開発された電子指導書とスマイルタブレットプロジェクトの相乗効果により、新型コロナウィルスのような課題が再度発生した場合でも、生徒たちの学びを止めずにすみます!パプアニューギニア政府は、電子指導書の開発とタブレットの寄贈に深く感謝し、輸送費用は全てパプアニューギニア政府が負担することを約束しました。

JICAの教科書・指導書開発プロジェクト、学校図書とアイ・シー・ネットによるEDU-Port応援プロジェクト、そして株式会社ビデオリサーチと電気通信大学のスマイルタブレットプロジェクトと、さまざまな協力者を得て学びの継続に取り組んでいます。まさにAll Japanの支援となりました。

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URL・連絡先アイ・シー・ネット株式会社 グローバル教育推進室 都築 昌子

URL: https://www.icnet.co.jp/

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