学校法人昭和大学医学部医学教育学講座、株式会社内田洋行

機関名学校法人昭和大学医学部医学教育学講座、株式会社内田洋行
取組のタイトルBody Interact®を使用した病院臨床実習に替わるオンライン臨床医学教育カリキュラム
実施地域(国・都市)日本(東京都品川区、東京都中央区)

《背景》 2019年12月頃から拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響で都市機能は制限され、教育機関は封鎖による立ち入り制限が敷かれた。日本全国の大半の医学教育機関では、従来式の授業や実習はすべて一定期間休止となり、オンライン教育の準備に追われた。医療技能者である医師の養成に欠かせない病院における臨床実習(BSL)も休止となり、BSLの代替案の探求は喫緊の課題であった。とくに医学部5、6年生は客観的臨床能力試験(OSCE)や国家試験を控えており、教育ロスをなんとしても回避したかった。

《実施計画》 本学医学部では、4月中旬より呼吸器・アレルギー内科、医学教育学、教育推進室の3施設が協力し、BSLの代替案としてBody Interact®(Take The Wind、ポルトガル)というバーチャルリアリティ(VR)型臨床医学シミュレーションソフトウエアを即座に導入し、医学生が所有する情報端末を介したまったく新しい臨床医学教育の形である「ICTを用いた新型医学教育システム」(ICT mediated medical education (通称i – me, アイミー)) を発足させた。

・Body Interact®について:本ソフトウエアの優れた点は1) 完全デジタル、2) カスタマイズ可能、3) ゲーム的要素が組み込まれていること、4) いつでもどこでも、どんな状況でも活用可能の4点である。キャンパスや病院に立ち入れない学生の学びの手を止めさせないため、自宅や移動中のノートパソコン(PC)・タブレットPCで飽きることなくバーチャル模擬患者の診療をゲームのようにシナリオプレイ(再生ボタンを押すと自動表示されるコンテンツ連続再生機能)として繰り返し学修することが可能である。今回、当機関では原版について日本の医療事情・言語に応じた翻案作業を行い、他機関でも円滑に導入できるよう配慮して事業を推進した。

・i – me, アイミーについて:Body Interact®専用のLMS(教育学習管理基盤)BI Studio®で学生のシナリオプレイ状況を教員が管理・評価した。Google Classroom®上で事前学修資料、小テスト、Body Interact®の操作方法マニュアルなどを配布した。上記の組み合わせと電子メールの送受信により、すべてWEBを介して学生と教員、保守管理(代理店)間での情報共有が可能であり、いつでもどこからでも学生が好きなタイミングで臨床を学ぶシステムを今回構築できた。

《実際のカリキュラム》 対象:医学部5、6年生(約240人)。5週間をひとつのコースとして、必修の呼吸器疾患シナリオ3つとトピックス問題としてCOVID-19のシナリオ1つを反復学修させ、感染のリスクの無いバーチャル患者に生じている問題を解決する方法や技能を学生に自己学修させた(3週間)。続くタームでは形成評価のため、上記のうち2シナリオを学生に提示し、各々を一定期限内に1度のみシナリオプレイを実行・記録させた(2週間)。オンライン会議システムZoom®を用いて指導教員が提示した4シナリオのデモ・プレイをライブ配信し、質疑応答も行い、学生の振り返り授業とした。リアルの臨床現場での注意点、教員の臨床経験を基に解説を加えた。

《運用経過》 学生、学内外の医系教官の満足度も高かった。

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URLhttps://www.showa-u.ac.jp/連絡先szshintr@med.showa-u.ac.jp
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