公立大学法人名古屋市立大学大学院 看護学研究科

機関名公立大学法人名古屋市立大学大学院 看護学研究科
取組のタイトルコロナ禍においても学生の主体的な学びを引き出す方策を模索する
実施地域(国・都市)日本(愛知県名古屋市)

 2020年度は、新型コロナ感染症拡大という例年とは異なる状況で新学期が始まりました。もう何か月も全世界がこの未曽有の事態に苦しみ、各大学には感染拡大の予防と学習の保証という難題が突きつけられました。

 本学では、学部4年生の実習でICUの重症患者を受け持ち苦痛緩和に焦点を当てた実習と、タナーの臨床判断モデルを用いた看護師の思考プロセスの理解に焦点を当てた救急外来初療室での「気づきのトレーニング」を行っています。このトレーニングでは救急患者の対応を見学した後、看護師と思考プロセスについてディスカッションし、臨床判断の学びを深めていきます。

 しかし今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大により病院での実習が行えなくなりました。そのため、「気づきのトレーニング」をBody InteractTMというバーチャル・シミュレーションに置き換えて実施することとしました。これは、救急患者に特化した分岐型のシナリオがWeb上で展開されるものです。適切な対応を選択すれば患者の状態は改善し、不適切な対応をすれば患者の状態が悪化していくため、学生たちは臨場感をもって取組めたようです。対応やその判断根拠などのディブリーフィングはZoomで行い、臨床判断プロセスに基づいたレポートを学びの最終確認としました。このような取組において、平時の方法と同程度の学習成果を保証できているのかを確認することは重要です。今年の講義や実習方法はこれからきちんと評価していく必要があると認識しています。

 コロナの前と後では、社会情勢も教育の方法も変わってくるのかもしれませんが、私たちが学生たちに伝えたい看護は変わりません。一刻も早くこの事態が終息することを願うとともに、このコロナ禍での経験と学びを今一度整理し、これからの教育の在り方について模索していきたいと思います。

URL名古屋市立大学看護学部連絡先052-853-8038
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