特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン

機関名 特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
取組のタイトル 遠隔での補習教育・特別活動の継続
実施地域(国・都市) ヨルダン(イルビド県)

ワールド・ビジョン・ジャパンは、2014年からシリア危機の影響により、多くの難民を受け入れたヨルダン北部のイルビド県で、紛争の影響を受けた子どもたちのために、教育支援を行ってきました 。ヨルダンはシリア難民の子どもたちの教育へのアクセスを確保するため、204校の公立学校で、ヨルダン人が午前中、シリア人が午後に通学する二部制を導入しています。二部制の学校では、学習時間が短縮されたことや、教室あたりの人数が多いこと、そのため一人ひとりの子どもたちが十分に教員とふれあい、学習と生活の両面において必要なサポートを得られる時間がない、といった教育の質の低下が課題となっています。私たちは、特に学習支援が必要な子どもたちに対し、約6年に渡って補習授業を提供し、子どもたちが学習意欲を高め、基礎学力を定着することで教育を継続できるよう、そして退学やそれに伴う児童労働や早婚といった危険から子どもたちを守ることを目指し、活動してきました。

新型コロナウィルスの世界的な感染拡大に伴い、ヨルダンでは3月の中旬以降、政府による厳格なロックダウンが行われ、全ての教育機関が閉鎖となりました。ヨルダンにおける新規感染者の減少に伴い、外出規制は緩和されたものの、7月初旬現在でも学校は継続して閉鎖されています。ヨルダン教育省はテレビ放映やオンラインによる教育プログラムの提供で子どもたちの教育の継続に向け対応しました。しかし、一方向かつスピードの速い授業に、もともと学習に困難を抱えていた子どもたちは、内容を理解することができません。また、そもそもテレビや携帯電話といった機器やインターネットへの接続がなかったり限られていたりする貧しい世帯、特にシリア難民の家庭の子どもたちは、教育省が提供する学習プログラムへアクセスできません。

私たちは2020年度もイルビド県の4校において2~7年生(7~13歳)の児童576人を対象として、少人数制の教室での補習授業の提供を計画していましたが、学校の一斉閉鎖を受け、4月19日から遠隔での補習授業の提供を開始しました。教室での補習授業同様、基礎科目であるアラビア語・英語・算数の3教科を対象に、各教科の補習授業教員が授業を遠隔で提供しています。週に2回、その週の学習テーマの授業動画とワークシートを教員が作成し、ヨルダンで広く使用されているWhatsAppというSNSアプリを通じて、子どもたちの保護者の携帯電話に送付し、子どもたちは携帯電話が使用できる時間に動画を見て、ワークシートに取り組む自主学習を行います。授業の動画は、コップや調理器具といった自宅にあるものをフル活用しながら、勉強に苦手意識のある子どもたちでも視覚的に理解し、楽しんで学べるよう工夫をしています。さらに週1回、会議アプリのZoomを利用して、教員や他の子どもたちと遠隔授業に参加します。教室での補習授業同様、参加型で行われ、子どもたちが自主学習でわからなかったところを自由に質問したり、教員が子どもたちに発言を促し、他の子どもたちと議論をしながら理解を深めたりするような双方向的な授業を提供しています。

学校の閉鎖やロックダウン、外出規制などコロナウィルスの影響で、ヨルダンでも子どもたちと保護者が共に家で過ごす時間が長くなっています。外出できないストレスや、保護者が仕事に行けず家計や生活における不安の高まりから、孤立した家庭空間で暴力が発生することも懸念されており、子どもと保護者の良好なコミュニケーションやストレスの軽減を促進するための支援が必要とされています。私たちは、遠隔授業と並行して、日本の学校における取り組みを参考に、家庭における「お手伝い大作戦」を実施しています。子どもと保護者が一緒にどんなお手伝いをするか話し合って決め、子どもはお手伝いを実践、保護者はサポートをしながら、小さなタスクでも子どもが最後までやり終えたならしっかり褒めて感謝を伝えます。子どもと保護者が互いに助け合い、そして保護者も子どもの自主性の成長を促す教育者である自覚を持ちながら、子どもを見守れるようになることで、子どものモチベーションや自主性を高め、親子の良好なコミュニケーションを促すよう、支援を行っています。

world vision.png

URL https://www.worldvision.jp/
連絡先 E-mail: yukari_iwama@worldvision.or.jp(岩間 縁)
このページの先頭へ戻る