2年間の活動を振り返って(2017年度EDU-Port応援プロジェクト:国立大学法人岐阜大学)

2019年3月8日

ミャンマーでは、初等中等教員の養成に携わる大学教員(講師、若手教員)が、適切に物理学実験を指導できないという課題があります。国立大学法人岐阜大学は、2017年度EDU-Port応援プロジェクトとして「ミャンマーの大学基礎実験教育の教員研修システム構築 Phase1. 物理学実験による広い知識と深い洞察力の提供」を実施し、質の高い教育を保障する大学教員の研修システムの構築に取り組んできました。
具体的には、ヤダナボン大学、ラショー大学、マンダレー大学において、24あった物理学実験のテーマを11に整理・統合し、いくつかの実験に使用する装置を開発しました。
また、今後、ミャンマーの大学講師や若手教員に指導することが期待される講師人材15名(マンダレー大学、ヤダナボン大学、メティラ大学各5名)を対象に、これらの実験の研修を実施しました(図1)。研修受講者は、2018年11月にマグウェイ大学で開催した第3回実験物理教育ミャンマー全国大会(図2)でも、アシスタントとしての役割を果たしました。
さらに、メティラ大学副学長を日本に招聘し、物理学実験に必要なのは新しい装置ではなく、アクティブラーニングの考え方であること、また大学院生がティーチングアシスタントを務めることの教育的意義について紹介しました。
その他、若手教員の育成という観点から、「日本・アジア青少年サイエンス交流計画(さくらサイエンスプラン)」を活用し、引率1名、大学教員12名を日本に招聘し(図3)、また、ヤンゴン大学において若手教員48名に対して研修(図4)を実施しました。
日本型理科教員養成の特徴として、単に実験をしてレポートを提出するのではなく、教員との様々な議論を通じて関連する幅広い知見を養うこと、大学院生がティーチングアシスタントを務めることで実験の効率化のみならず、大学院生自身の知識の定着を図っていることが挙げられます。
ミャンマーにおける日本型理科教員養成の実践により、講師や若手教員の能力強化やティーチングアシスタント制度の導入につながったのみならず、日本側にとっても指導改善の機会を得ることができたことも大きな収穫でした。ミャンマーにて、実験結果を報告する発表者との対話だけではなく、発表者以外にも問いかけるように注意して議論を進めたところ、受講者の満足度が向上しました。同様のアプローチを岐阜大学の学生にも適用したところ、定期試験の合格者数が増加しました。
まもなくEDU-Port応援プロジェクトの2年間は終了しますが、今後もミャンマーの大学とともに質の高い教育を提供できる大学教員の養成に努め、やがてはミャンマー全国の大学教員を対象とした研修システムの構築に努めていきたいと思います。

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写真1:マンダレー、ヤダナボン、メティラの3大学から各5名、計15名の教員研修をマンダレー大学で実施しました。

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写真2:マグウェイ大学で第3回実験物理教育ミャンマー全国大会が開催され、35大学から90名の教員が参加して実験し、アクティブラーニングなどの研修を受けました。

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写真3:岐阜大学に「さくらサイエンスプラン」で招へいした6大学12名の若手教員が、日本の実験や解析の研修を受けました。

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写真4:ヤンゴン大学の第3回実験物理教育ミャンマー全国大会プレ大会で、9大学からの48名の若手教員が、物理実験教育の研修を受けました。

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