名古屋産業大学環境経営研究所では、EDU-Portニッポンの調査研究事業と応援プロジェクトを通じて、「ゼロカーボンスクール教育」の教材開発と海外展開に取り組んできました。この取組が評価され、この度、愛知県国際交流協会による「令和7年度愛知県国際交流推進功労者表彰」を受賞しました。アジア諸国における環境教育の展開と学校間の国際交流学習の実施、日本及び台湾の高等学校等と連携した緑化木調査プログラムやゼロカーボンスクールを探究するプログラムの開発、生徒による開発教材作成の支援と多言語配信、さらには環境教育のモデル都市づくりの支援など、国際交流や国際理解の推進に貢献したことが認められました。
令和7年11月12日にあいち国際プラザで開催された表彰式には、環境経営研究所長の伊藤雅一教授と、ネパールでの学習支援に参画している大学院博士後期課程の学生代表が出席し、愛知県国際交流協会の神田真秋会長より表彰盾が贈られました。
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表彰式(令和7年12月) -
表彰式(令和7年12月)
「ゼロカーボンスクール教育」は、学校生活でのCO₂吸収量・排出量を可視化し、緑化活動、省エネ活動等を通じてカーボンニュートラルを探究する学習活動です。本学では、これまでに東アジア(日本、台湾、韓国)、東南アジア(ベトナム、インドネシア)、南アジア(ネパール)の小・中学校、高等学校延べ138校(うち海外89校)で学習支援を行ってきました。その学習成果は学校環境教育のグッドプラクティスとして、昨年度も以下の評価を得ています。
・本学と高田中・高等学校(三重県津市)との連携による、緑化木調査の系統的支援と海外展開の活動成果が「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞
・姉妹校の菊華高等学校(名古屋市)によるゼロカーボンスクールの活動成果が「令和6年度愛知県学校関係緑化コンクール学校環境緑化の部」で入選
・台湾での取組のモデル校である高雄女子高等学校によるゼロカーボンスクールの活動成果が、アメリカのNASA等が推進する「環境のための地球学習観測プログラム(GLOBE)」国際シンポジウム(2024 GLOBE International Virtual Science Symposium)で最高位の四つ星賞を受賞
・本学と台湾の高雄女子高等学校、前金中学校との3者協力プロジェクトによる緑化木調査の活動成果が台湾行政院教育部主催「第7回(2024年)環境教育実践コンテスト」第2位を受賞
令和7年度からは、学習支援の重点を学校単位から自治体単位に移し、モデル都市づくりに取り組んでいます。愛知県一宮市では、「いちのみや気候変動対策アクションプラン2030(2024年1月改訂版)」の重点プログラムとして、市内の小・中学校を対象にゼロカーボンスクールの活動支援に取り組んでいます。また、本学のある愛知県尾張旭市では、三菱UFJ銀行から市内の小・中学校12校に寄贈されたCO2濃度測定器を活用して本学教員が学習支援を行うなど、産学金官連携による「ゼロカーボンスクール教育」のモデル都市づくりが始まっています。
海外においても「ゼロカーボンスクール教育」の普及に向けて、台湾の行政院教育部、台北市教育局と連携し、小・中学校、高等学校を対象とした教員研修や台北市におけるモデル都市づくりに取り組んでいます。また、ネパールのルンビニ州ティロッタマ市とは令和6年12月に連携協定を締結し、令和7年2月には同市内のドゥルガダッタ中等学校と高田中・高等学校(三重県津市)の国際交流学習を支援しました。またネパールでの活動を自走化する目的で、12月中旬に本学の教員と大学院生が現地を訪問し、ティロッタマ市内の中等学校を対象に教員研修(集合研修、巡回訪問)の実施を計画しています。

国際交流学習(令和7年2月)
本学では今後とも、国際通用性ある教材への見直しや国内外のモデル校生徒による教材開発、これらの教材を活用した国際協働学習の仕組みづくりなど、EDU-Portニッポンの事業による海外展開の取組成果を活かし、現地での活動自走化を促しながら、アジアの国・地域への普及を目指していきます。
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台湾教育部主催の教員研修(令和7年4月) -
台北市教育局主催の教員研修(模擬授業)(令和7年9月)







