テストを使ったカリキュラムマネジメント強化の技術指導について(2018年度EDU-Portニッポン公認プロジェクト:アイ・シー・ネット株式会社)

2019年10月11日

アイ・シー・ネット株式会社と学校図書株式会社は、それぞれ2018年度EDU-Portニッポン公式プロジェクト(アイ・シー・ネット)と応援プロジェクト(学校図書)をパプアニューギニアで実施しています。パプアニューギニアでは、初等教育の3学年から6学年の理科と算数の教科書・教員用指導書を開発しており(以下写真例)、国際協力機構(JICA)の支援を受けて、当社と学校図書、また鳴門教育大学や岡山大学、筑波大学などとともに、パプアニューギニアの教育省の開発支援と技術指導に取り組んできました。理科と算数の教科書は日本の内容を大いに参考にし、教員用指導書も日本の授業形式を参考に開発していて、パプアニューギニアで「日本型」授業を展開できるよう取り組んでいます。まさに産学官の取り組みです。

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写真上:理科の教科書の1ページ

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写真上:左の教科書のページの指導書

EDU-Portニッポンのプロジェクトでは、開発した教科書をもとにして単元(章末)テストを教育省とともに開発し、教科書を使った児童の学びを確認しています。さらに、テスト結果を分析して、間違いやすい概念の確認や教え方の工夫を教育省と協議し、児童はもちろんのこと、学校や教師へのフィードバックを実施することを計画しています。これにより、教科書(カリキュラム)の開発と実践、児童の学力の測定、フィードバック、教授法の改善、というPDCAサイクルを確立し、日本の学校で実施されているようなカリキュラムマネジメントの考え方を根付かせることを試みています。
加えて学校図書が実施する応援プロジェクトでは、分析結果から分かった授業で教えることが難しい概念や実験などを、ICTを使って映像でわかりやすく教師に伝え、当社のプロジェクトを援護しています。

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写真上:教育省の人たちとテストを作るワークショップ。
模造紙とポストイットを使って

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写真上:開発したテストのフィードバックシート。子ども用

2018年度はテストを開発し、試行しました。その実施中、驚くことに、3学年でも繰り上がりのある2桁の足し算ができない、3桁の足し算で手を使って数える、などの光景が見られ、テスト結果も散々でした。さらに驚いたのは、教育省と学校の教師の反応でした。ちゃんと教えたはずなのに児童が出来てない!教科書には書いてあるのに子どもが理解していない!と目を丸くして怒り始める人も...。
「悪いのは児童ではなくて、教え方なんですよ」と私たちの出番。
児童の学力の結果を見て、ようやく教育省や教師が自分たちの責任に気が付き始め、どうしたらよいか一緒に考えるようになりました。

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写真上2つ:3桁の足し算を指で数える児童

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写真上:テスト風景 1

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テスト問題のサンプル:正答率と誤答例

2019年度は教科書を使った教え方を改善し、2018年度に試行したテストも改善して、この9月に首都ポートモレスビーにある小学校の10クラス、約370人の児童にテストを拡大して実施しました。現在そのテストを分析中で、12月には分析結果をパプアニューギニアに持ち帰って、教育省、学校、児童、保護者などにフィードバックする予定です。どうぞその結果を期待して下さい!

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写真上2つ:2019年9月のテスト実施の様子

余談ですが、パプアニューギニアは、生物の宝庫、生物多様性の国。珍しい極楽鳥を始め、世界一大きい蝶や黄金に輝くカブトムシなど、日本にはいない生物がたくさんです。理科、特に生物の問題を作るのはとても難しく、「川に住んでいる生き物は何ですか」という問題の答えには紛糾しました。下の問題、解いてみてください。実はパプアには、ワニもサメもカメも川にも海にも住む種類がいるんですよ!

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