「異文化理解プログラム」: オンライン音楽交流会でつながる浜松とインドの小学生(令和4年度・令和6年度応援プロジェクト:ヤマハ株式会社)

令和8年1月20日、静岡県・浜松市立城北小学校と、インド・グジャラート州アーメダバード市のDivine Child International School(私立小学校、以下DCIS)をオンラインで結んだ音楽交流会が実施されました。静岡県とグジャラート州は令和6年12月に、浜松市とアーメダバード市は令和7年8月に、それぞれ友好協定を結んでいます。今回の交流会は、EDU-Portニッポンの公募事業実施機関であるヤマハ株式会社(本社・浜松市 以下、ヤマハ)が県と市と連携して実現したものです。

インドにおける「スクールプロジェクト」

ヤマハは、世界中の子どもたちが音楽と楽器を使った活動を楽しむことができるよう、「公教育における音楽と楽器を使った活動の普及」を目指した「スクールプロジェクト」を展開しています。この取組は令和4年度・令和6年度の応援プロジェクトに採択され、これまでにデリーの教育委員会(Delhi Board of School Education)と連携し、公立初等学校10校をパイロット校とし、第5学年の正規授業を対象に、リコーダーを用いた音楽授業を展開しています。令和6年度からは日本型音楽授業が昨今世界的に注目されている非認知能力を育むかを計測し、その結果を活用してデリー以外への州の教育委員会への展開を探っています。

浜松での「異文化理解プログラム」

令和7年3月にヤマハが浜松市教育委員会に市内の小学校とアーメダバード市内の小学校との音楽交流会の開催を提案したところ、教育委員会は城北小学校を対象校に推薦しました。これまでの同校の国際交流等への積極的な取組を評価したものです。一方のDCISはインドにおけるスクールプロジェクト展開校で、令和3年から課外活動においてリコーダーを使ったヤマハの音楽教育プログラムが導入されています。

両国の小学生の交流を実り多いものにし、両国の教育の質的な向上に貢献すべく、ヤマハでは城北小学校と協議して、児童が主体となって行う探求学習的な授業手法を取り入れました。それが交流会の7か月前からスタートした「異文化理解プログラム」です。児童たちは令和7年6月から毎月1回1時間、総合的な学習の時間などを活用しインドの暮らしや文化、アーメダバード市の特徴などについて学び、自分たちとは異なる文化の違いを楽しみながら、共生の大切さを学んでいきました。

  • 「異文化理解プログラム」の日程

オンライン音楽交流会の様子

令和8年1月20日のオンライン音楽交流会当日の午後、城北小学校の体育館では5年生児童約60人が、インドとつながった大画面(スクリーン)の前に集まりました。ヤマハのスクールプロジェクトのスタッフは日印両方の学校で運営に協力、DCISの教室に集まった同校の1、2、5年生30人がスクリーンに登場し、両校の児童による開会の挨拶から、音楽交流会が始まりました。

  • 英語で城北小学校を紹介
  • 英語でアーメダバードや学校の紹介を聞く

インドと日本の児童がスライドを使って英語で自分たちの学校や住む町のことを紹介し、それぞれの国の楽曲を演奏しました。また、「どんな科目がありますか?」「どんな給食を食べていますか?」「好きなポケモンは?」「どんなお祭りがありますか?」など相手の学校生活や文化について質問し、回答して相互理解を深めました。

  • インドの楽曲を演奏(有名映画曲メドレー)
  • 日本の楽曲を演奏し、「浜松まつり」の凧揚げを再現
  • 英語で相互に質問タイム

続いてDCISの児童が「浜松まつり」の演奏と踊り(練り)を披露すると、城北小学校の児童は練習を重ねてきたインドの祭事「ナブラトリ」で行われるガルバという踊りをリコーダーや電子オルガン等の演奏とともに、体育館のフロアを広く使って演じました。いずれのプログラムも、両国の児童が探求学習として時間をかけて準備してきたものです。
1時間の交流会はあっという間に時間が過ぎ、互いの挨拶の後にスクリーン越しの集合写真を撮影して終了しました。

  • 練習したナブラトリを再現して披露
  • スクリーン越しの集合写真

児童・教員の感想

交流会の終了後、参加した児童からは以下のような感想が聞かれました。
「インドについて学習して、これまでの『インドといえばカレー』という印象だけではなく、お祭りで凧を揚げたり演奏したりして浜松と似ているところが多いことが分かった」
「インドには面白い文化や食べ物があることが分かった。もっとインドの色々なことを知りたいと思った」
「インドの子どもたちが「浜松まつり」のパフォーマンスをしてくれてびっくりしたし、私たちを尊重してくれている感じが嬉しかった。これからもいろいろなことを調べたい」
「いつかインドを訪れて実際にお祭りを見てみたいと思った」

半年間の「異文化理解プログラム」を通じて児童の成長を見守った教員も
「城北小の児童はインドの子どもたちとのリアルタイムのコミュニケーションを通して世界とのつながりを感じていた」
「今まで意識していなかった、自分たちが住む浜松のすごさも感じた」
「浜松に多くのインドの人が暮らしていることや、インドに関する情報も意識するようになった」
「この取組を通して色々な人と関わることができたことは児童にとっても貴重な経験となった。ヤマハのサポートに感謝する」
といった喜びを表していました。

今後の計画/展望

数か月にわたり実施された本プログラムを通じて、城北小学校の児童は異文化への関心を高め、主体的に理解を深めていきました。また、地元の音楽や踊りを練習し海外の子どもたちに披露する過程で、日本や地域の文化の魅力に改めて気づく姿も見られました。
その積み重ねは最終回の音楽交流会において、日本とインドの児童が互いを尊重しながら国境を越えて友情を築こうとする姿へと結実しました。インドの学校関係者からも、日本の教育への関心が高まったとの声が寄せられています。
このような草の根の取組を通じて、ヤマハは今後も日本の教育の国際化と質の向上、そして日本とインドの関係強化に貢献していきます。

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