SEAMEO-Japan ESD Award優勝校が日本を視察しました

令和5年9月25日~29日、SEAMEO(シーメオ)-Japan ESD Award優勝校4校の生徒・教師計24名がSEAMEO事務局の職員と共に日本を訪問しました。

SEAMEO-Japan ESD Awardは、文部科学省と東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)が共催する懸賞事業で、SEAMEO 加盟国内(注1)の小・中・高等学校を対象として、持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)に関する優秀な取組事例を表彰することで、域内の ESD の取組を促進するものです。優秀校には日本訪問の機会を提供し、日本のユネスコスクール等(注2)との交流を深めることで、我が国の教育・文化の理解を促進しています。

今年は、COVID-19により日本を訪問できていなかった、平成31年~令和4年の優勝校4校(フィリピン2校、シンガポール・マレーシア各1校)が来日しました。EDU-Portニッポンでは、海外の教育関係者による日本の学校視察を支援する「スクールビジット」の一環として、来日した一行へのオリエンテーションを行い、訪日中の活動をサポートしました。

一行は9月26日、文部科学省の青山副大臣および各国の駐日大使館を表敬訪問しました。
(文部科学省「SEAMEO-Japan ESD Award優勝校による青山副大臣表敬」
https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2023/20230926.html

9月27日にはユネスコスクール加盟校である東京学芸大学附属国際中等教育学校を訪問し、同校の生徒と授業に参加したり、文化交流を行ったりしました。9月28日にはつくば国際会議場で開催された筑波会議2023(注3)に参加し、SEAMEO-Japan ESD Awardで優勝した取組事例を発表した後で、筑波大学附属坂戸高等学校(注4)の生徒たちとランチを共にして交流しました。

東京学芸大学附属国際中等教育学校訪問筑波会議2023

ESDは気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇、貧困の拡大等、現代社会の様々な問題を自らの問題として主体的に捉え、人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保できるよう、身近なところから取り組む(think globally, act locally)学習・教育活動です。

今回、来日した4校では、以下のような取組を実施しています。

2019年優勝校
South Hill School Incorporated in Laguna(フィリピン)
Kindness for Peaceをテーマに、妊娠やいじめについて学習したり、貧困地域の子どもへの寄付活動に取り組んだりしています。

2020年優勝校
SM St Patric Tawau(マレーシア)
Five Green Programmeとして、通学路の緑化、プラスチックのリサイクル等、環境問題に取り組んでいます。

2021年優勝校
Kranji Secondary School(シンガポール)
コロナ禍で対面活動に制約がある中、バーチャルリアリティを活用した授業やASEANや日本の学校とのオンライン交流を実施しました。

2022年優勝校
La Filipina National High School(フィリピン)
コロナ禍の学校閉鎖期間、生徒のみならず地域の人々に向けた様々な教育動画コンテンツを制作・配信しました。

ESDは平成14年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」で我が国が提唱した考え方です。このようにASEAN各国でも継続して取り組まれ、日本と学び合いが継続しています。


浅草にて

(注1) ASEAN諸国及び東ティモールの11か国。
(注2) ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校。
(注3)世界から産官学の優秀な若手人材らが集まり、社会と科学技術の諸課題について議論し、ネットワークを形成する国際会議。平成31年から隔年で実施され、3回目となる今回は4年ぶりに対面開催が復活。
(注4)文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校。平成31年からはWWL(Worldwide Learning)拠点校として、筑波大学の海外ネットワークを利用しながら、グローバル教育・活動を推進している。

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