「日本品質の保育をインドネシアで!」(2020年度 EDU-Port 応援プロジェクト:ヒューマンホールディングス株式会社)

事業概要

スターチャイルドインドネシア園(ジャカルタ・クニンガン地区)は、日本の首都圏に35園を運営している認可保育園「スターチャイルド」の海外展開第一号園です。幼児の発達年齢に応じた「日本の保育」と英語でのコミュニケーション、さらに独自のフラッシュカードやワークブックを活用した教育パッケージを活用して、ジャパンクオリティの保育をインドネシアに提供しています。2018年の開園以来、ジャカルタ在住の10か国以上の様々な国籍の子どもたちが一緒に学び、元気に毎日を過ごしています。

コロナ禍では、行政の指導により約一年間の休園を余儀なくされましたが、昨年の再開後すぐに園児たちが戻ってきてくれており、現在の園児数は50名に達しております。

ジャカルタの市街環境では、日本では当たり前の園児たちによる近隣公園への散歩なども実質不可能であり、運動不足は否めません。EDU-Portニッポンを通じて、ジャカルタ市内で体育教室を開講しているジャクパさんの存在を知って教室を見学させていただき、ぜひご一緒に子どもたちの知・徳・体の成長を応援したいと願い、提携させていただきました。おかげさまで園児・保護者のみなさまから大変ご好評をいただいております。

これまでの活動内容

1.教育要素を盛り込んだ独自プログラム「WALLET」の実施

日本の「保育5領域(健康、人間関係、環境、言葉、表現)」をベースに開発したスターチャイルド独自のプログラム「WALLET」を実施。1週間のテーマを決めて毎日1領域ずつ、30分~1時間の枠で実施し、その都度違った語彙を学びながら幼児の自発性を重視した学びをサポートします。

<「WALLET」の概要>
以下5つの力をWALLETの基本5要素として、「Laughing(笑顔で楽しく)」の中で幼児が自発的に習得することを促します。
①Watching/Writing(観る・書く学び)
②Activating(行動・感覚)
③Listening(聴く学び)
④Expressing(表現・発表)
⑤Thinking(思考・想像)

<オリジナル教材>
「WALLET」プログラムに紐づくヒントカードの開発及び運営。語彙を増やす働きかけとして、身近な動植物や乗り物・食べ物はじめ日常で目にするものを現地の生活に即した6つのカテゴリー(人、自然、動植物、食べ物、乗り物、生活)に分けて毎週1テーマずつ、インプット学習を毎日実施しています。「自然」のカテゴリーにある「土、石、砂」をテーマにした週では、関連する語彙のインプットはもちろん、「Expressing(表現・発表)」の要素の保育活動日には、園児は各々好きに絵具で海を描き、砂浜の部分には事前に先生が用意した砂を付けてビーチを表現します。

2.日本のスターチャイルド園からの学びと共有

この10月にジャカルタ園の保育スタッフ1名が日本へ出張してスターチャイルド園を見学し、一部の教育プログラムを実際に担当して実習しました。彼女自身が日本の現場でこの仕事の普遍性を体感してくれたことは、スキル向上の機会を得たことと共に、大きな収穫でした。今後も年に1,2回程度、同様の実地研修を計画しております。
また、日本のスターチャイルドとは週一回の定例ミーティングをはじめ、随時必要に応じて映像を活用しながら、園児への対応や教育プログラムの進行ならびに運営一般について共有し、有益なアドバイスを受けています。

3.保育認証制度の取得と更新

ヒューマングループの日本国内事業会社のヒューマンスターチャイルドは、複数の保育園事業を展開するほか、保育の質の維持、さらなる向上のため、海外の事業者向けに保育サービスの品質審査・教育・コンサルティングなどを行う「HQS認証(HOIKU Quality Standard)」を実施しています。スターチャイルドインドネシア園は2019年にこのHQS認証を取得し、2022年末に審査を受けて認証を更新しました。当園の日本品質の保育はジャカルタで高く評価されており、市内の他の保育園よりお問い合わせを頂いております。日本で30年以上に渡り培ってきた安心・安全な保育サービスと運営ノウハウ、そしてスタッフの育成ノウハウを土台にして、子どもたち一人ひとりが安心して元気に過ごせる安全な環境を現地に根付かせて参ります。

4.今後の展望

日本のスターチャイルド園での実地研修や保育事例の共有を通じて、インドネシアの保育士の学びを促進して参ります。また、HQS認証の普及拡大を通じて、日本の保育をジャカルタからインドネシア全土に広めて参りたいと考えております。

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