ミャンマーにおける自動車整備士育成のための実践的日本型専門学校教育システムとカリキュラムの普及(2018年度公認プロジェクト:株式会社ジャイアントリープ ・インターナショナル)

2020年06月02日

プロジェクトの背景とこれまでの取り組み

東南アジアのミャンマーでは2016年3月の新政権発足を期に、国内外の投資が活発になる一方、多くの分野で実践的技能を持つ人財の不足に直面しています。急激な輸入や国内生産が始まった自動車分野も例外ではなく、専門的な知識を持った技術者の育成が急がれており、日本政府の公的な支援も得ながら技能標準(国家資格)策定を進めるなど国家としての人財育成の仕掛けづくりが進められています。

また、現地の若者がそもそも体系的な知識、特に産業における実践的な技術を学ぶ場も不足しており、従来の徒弟制度的あるいは見様見真似で仕事を覚える環境からの脱却も大きな課題です。こうした状況に対し、株式会社ジャイアントリープ ・インターナショナル(以下ジャイアントリープ)では2014年から現地職業訓練校GLORY Career Training Centre(以下GCTC)と提携し、日本の専門学校教育を基にした自動車整備技術者育成コースを運営し、多くの若者への教育提供と、若手技術者の育成を行なってきました。

こうした状況に加え、EDU-Portニッポンの公認プロジェクトとして採択された本プロジェクトでは、2018年から2019年にかけ、以下の活動を重点的に行なってきました。

  1. 日本・ミャンマー両国の産官学関係者を集め技能人財の教育・育成についてセミナーを開催
  2. 策定が進むミャンマー国家技能標準(自動車整備分野)に準拠した教育カリキュラムの作成
  3. 現地自動車関連企業、特に日系企業でインターンシップを行い、学生・企業双方で人財育成に対する認識を高める

技能人財教育・育成セミナーの様子(ヤンゴン)

国家技能標準検討会の様子(エンジアリング協会)

日系企業でのインターンシップ実施

2019年1月と8月の2回、現地進出の日系自動車メーカーや整備会社に協力いただき、現地ディーラーや整備工場で学生インターンシップを行いました。1拠点あたり2〜3名のGCTC学生を派遣し、現場職員の方々に直接指導いただきました。
近年日本国内では専門学校教育においてもインターンシップは盛んに行われるようになりましたが、ミャンマー現地ではまだそれほど一般的ではありません。特に規模の小さい企業ではまだまだ認知されていません。そこで、インターンシップ実施の前に本プロジェクトメンバーが受け入れ企業を個別に訪問し、趣旨の説明と現場職員の方々に特に気に留めていただきたいことを説明してまわりました。また、あわせて日々の指導状況や気づいた点などを記録してもらう簡単なフォームも用意し配布しました。
こうした事前準備を経て、指導をいただきながら実際のお客様の車の整備点検実務、洗車、オイル交換、タイヤチェックなどサービス実務などを行いました。

点検整備の様子

ディーラーでお客様の車を洗車

日本の教育の良さ

GCTCでは日本における専門学校教育と同じく、実習を通じた技術教育に加え、6S(整理(Seiri)、 整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketsu)、作法(Saho)、躾(しつけ:Shitsuke)の頭文字Sをとった、6つのSのこと)の徹底など安全・衛生に関する教育、顧客とのコミュニケーションや服装・マナーなど多岐にわたる実践的な指導を盛り込んでいます。その結果、インターンシップの現場でも、学生のお客様への対応力を非常に高く評価いただきました。

個々の学生はお客様の車を相手に作業を行う緊張感や責任感を強く感じたようです。受け入れ企業側でも充実した環境での教育の有効性を実感し、将来の採用活動でも考慮していくなど嬉しいコメントをいただきました。またGCTC教員側でもインターンシップ後の学生の学習意欲が向上したと報告がありました。

学生と受け入れ企業、双方の立場をよく理解し、良い関係性を築くことを常に目標としている日本型教育の良さをあたらためて実感できる機会でした。

今後への期待

ミャンマーでは、自動車分野を含め様々な産業における中核的な人財育成は引き続き重要なテーマです。本プロジェクトの取り組みが様々な分野に拡大することでより一層の貢献ができると期待しています。

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