Webサービス「フォレスタネット」を介した日本型教育の展開(株式会社スプリックス フォレスタネット運営事務局 飯坂正樹)

2019年08月19日

私たち、株式会社スプリックスが運営しているWebサービス「フォレスタネット」が国を越えて学校の先生を繋ぎ始めた。フォレスタネットは小中高の先生同士で授業や学級経営の記録等を共有することにより授業準備の効率化に貢献することを目指している。2016年10月のサービス開始以来利用者は増え続け、今、独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)との協働によってその支援の先は世界の先生にも広がりつつある。

きっかけは2019年1月のEDU-Portニッポントピックセミナー(ICT×教育)である。同セミナーでJICA人間開発部基礎教育グループ ICTタスクメンバー中島基恵氏によるご講演「JICAの基礎教育事業におけるICTの活用について」を拝聴した際、セネガルにて実施中の「初等教育算数能力向上プロジェクト」にフォレスタネットを活かせるのでは、と考えた。同プロジェクトでは、セネガルの先生の指導力改善を通じて、児童の初等算数の学びを向上させる為、日本の指導法をベースとした研修動画作成やSNSでの配信等、ICTを使った取組みを行っていた。JICAセネガル事務所の職員、専門家の皆様の熱意によって、既に多くのセネガルの先生へその研修動画が届けられており、日本型教育がセネガルで受け入れられる土壌が既にできていた。

その後JICAとの協議を経て、フォレスタネットを通じて日本の先生の指導法をセネガルの先生へ届けることとなった。まず、フォレスタネットにご投稿いただいている先生方にお声がけし、指導動画を撮影した。そしてJICAセネガル事務所が仏語翻訳を施してフォレスタネットへ公開した。それらの動画は即時にセネガルの先生方からもアクセスされ、多くの閲覧数を記録した。中には動画の内容をセネガルの文脈に合わせてアレンジし、自ら配信する先生も現れた。また授業のみならず互いの学校の様子を記録した動画の交換もなされており、掃除や給食など日本ならではの学校文化もセネガルへ届けられている。


  • 日本からセネガルへ配信した動画

  • セネガルから日本へ配信した動画

日本の先生方もまた、新たな学びを得られているのかもしれない。日本の先生方は今回の取組みに総じて高いモチベーションと興味をもって臨んでくださっている。ある先生は「自分の実践が受け入れられて嬉しい」と、またある先生は「自分の指導法がセネガルの先生を通じて現地の授業に取り入れられた時の、子ども達の様子を見てみたい」とおっしゃっている。この取組みによって日本の先生方が新たな可能性を感じてくださっているのであれば、これ以上嬉しいことはない。

今回の事例を成立させたのは関係者の想いの連鎖であろう。子ども達のために自己研鑽を望むセネガルの先生、それを日本型教育の展開にて支援しようとするJICA、先生の授業準備の支援を追求するフォレスタネット運営事務局、そして広く先生や子ども達のために貢献したいと願う日本の現場の先生、それぞれの想いがフォレスタネットで繋がり、「国を越えて教員が子ども達のために協働するプラットフォーム」として機能しているのである。

私たちのゴールはフォレスタネットを通じて世界中の先生の授業準備をご支援することであり、今回のJICAとの協働によってその1歩目を踏み出すことができた。今後もセネガルはもちろん世界中の先生の想いをフォレスタネットで繋ぎ、公教育において一人でも多くの子ども達がより良い学びを得られるよう邁進していきたい。

授業準備のための情報サイト「フォレスタネット」

© 文部科学省 日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン)